昭和53年2月21日〜23日 第1回染色文化展 区役所一階ロビー

新宿区広報より
お正月の街を色どる女性の着物姿は、なかなか風情のあるものです。
洋装化の進行や、若い人のいわゆる「縫えない」「着られない」「選べない」ということもあるようですが、一方では、やはり日本の伝統の落ち着いた着物のよさを見直そうということも盛んにいわれてます。
新宿区には、地場産業として、印刷・製本業や極めて特色のある産業「東京染め小紋」「東京手描き友禅」などの染色業があります。
この地場産業の振興の一つの施策として、このたび、染色業を広く区民の皆さんに知ってもらおうと、業界の協力のもとに「新宿区染色文化展」を開 催することになりました。

〓〓〓◇地場産業の振興のため◇〓〓〓
本区の染色業は、大正12年の関東大震災のあと、神田川や妙正寺川の清流を求めて河川の周辺に集まったものです。その伝えられている染色技術の起源は江戸時代に発達、完成されたものといわれ、現在でもその古い伝統が受け継がれています。
今回の文化展はサブタイトルを「くらしのなかの伝統」と名付け、生活のなかで伝えられてきた伝統技術の実演をはじめ、各種道具、染色業分布状況および工程パネルなどを展示します。

【内容】
≪染色業の現状≫
昔から河川の周辺に立地し、今もなお新宿に残る伝統的 な産業で事業所が300をこえる現状を分布図によって表します
≪着物のできるまで≫
伝統的工芸品である型染めによる東京染め小紋、一品物の東京手描き友禅の着物染色の全工程を工程順にわかりやすく展示します。
≪五種類の実演≫
@東京手描き友禅の友禅さし…模様師が着物の下絵に色を付ける。
A糊画(せんが)・もち米の糊防染(のりぼうせん)技術糸目糊・疋田糊(ひったのり)…もち米で作った糊を下絵の上やふちに置いて、他の色が染まらないようにする。
B紋章上絵…国の無形文化財選択になっている紋章の手描き
C刺しゅう…着物や帯への刺しゅう
D染色補正…染めあがりの手直しや紋や風呂敷などの名入れ、家庭でできるしみ抜き。
≪着物相談コーナー≫
開催期間中は、着物の手入れや保存の仕方、あなたに似合う地色、えり洗いのサービス、その他着物に関する全般的な相談に専門家がお答えします。
(着物をご持参いただくとより具体的に相談に応じられます)。

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